『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』完走した感想

タイトルの通りです。

プレイヤー名は

  • スカーレット(メイン機): G4きゅーぶ、日本語、女の子(クリア済み)
  • ヴァイオレット(サブ機): sylph01、英語、男の子(まだ始めたばっかり)
  • ヴァイオレット(メイン機): 名前未定、ドイツ語、未定

です。初回starterは当然ホゲータ( #TeamFuecoco )です。

当然のようにネタバレを含むし超核心のネタバレを含むのでネタバレを気にする方は続きを読まないことを強くおすすめします。

過去作リンクは以下です:

  • ORAS
  • SuMo
    • そういえばUSUM本格的に手をつけてない
  • SwSh
  • BDSP
    • 結局シャイニングパール手つけずに終わった…。
  • PLA

最初に言っちゃうと「手放しに褒められない」mainlineポケモンシリーズは初めてだった

ダイパが実はプラチナ除くとイマイチって話は前にもしてますがそれは当時の感想ではなかったのでおいておくとして…

『Pokémon LEGENDS アルセウス』がシステム面含め文句なしの傑作だったことに比べると、ゲームシステム面でストレスの溜まる部分が複数あったのでこういう評価にならざるを得ないな、というのが正直な感想です。ゲームの動作がもっさりしている、cutsceneのロードがめちゃくちゃ遅い、処理落ちが頻繁に発生する、負荷が高まると稀に(といっても2回引いてる)エラー落ちする、レイドバトル終了時にたまに鳴き声だけ20秒くらい聞こえる謎waitが発生する…みたいなperformance issueに加えて、オーバーワールドでのターゲティングがアルセウスに比べて非常に制限されていることがとにかくストレスでした。ZLでロックオンできる、とチュートリアルには出てきたものの、かなり接近しないとロックオンできないし、できなかったときは謎のカメラアングルにカメラが移動するだけ、という仕組みで、どういう動作を期待していたのかよくわからなかったです。これが目玉のシステムであるところのレッツファッキンゴーレッツゴーに影響するとなるととてもストレスフル。アルセウスでできてることがなんでこっちでできてへんのや!という点でのストレスが大きかったように思います。これが最大の問題ですが、それに加えてポケモン図鑑のインターフェースの機能が大幅に制限されたのも図鑑収集勢としてはとても気になっています。ページ送りができないので200番台くらいまでがんばってスクロールしないといけない、特定のポケモンへの検索ジャンプができない、という前作でできてたのになんでこっちでできてへんのや!というストレスがこちらでも改めて出てくる形に…。

ロードが遅いのはダウンロード版だとかなりマシらしいんですが、パッケージ版は当日即開始できないことに加えてロードが遅いとなると実物が手に入る以外のメリットが全くなくデメリットを食わされただけになってしまい、あまり好きではない表現ですが「パケ版は負け組」みたいになってしまっているのがとても厳しい。これにDLCが増えるのならダウンロード版で買い直すことを検討しうるレベル。

とにかく「前作でできてたことに意図的でない強い制限がかかっている」ということがストレスフルで「ポケモン新作なので10点満点です!」とは言えない作品になってしまった。なおグラフィックがどうこうっていうのは私はAAA洋ゲー厨ではないしポケモンにAAA洋ゲーグラフィック求める連中はDetective Pikachuと映画版ソニックで致してろと思ってるので特に言うことはないし、なんなら今作のグラフィックは(これは仕方ないけど背景のモブがたまにものすごい低FPSでカクカク動くところを除いては)よくできてると思う。

かかった時間

initial playthroughの録画の時間が20時間台、最初のキャラメイクを長めにやってたり2回ほど全滅してリセットしてることを考えるとIGTは19時間ちょいとかになると思います。着弾からここまでメシ食わずにトイレ休憩4回くらいで完走したので終わったあとは足が大変なことになっていた。

チュートリアルがとにかく長い印象。ここでいうチュートリアルは殿堂入り前という意味ではなく、まともにフリーフォームにゲームが開始できるまでの部分、という意味です。

RTAは6時間台まで来てるらしく、sub 6も可能という感じなので、コンテンツ量的にはUSUMと同じくらい、ということですかね?ならばだいぶてんこ盛りといってよいでしょう。

ゲームバランス

レベルはバッジ数に応じて変動なのかなーと思っていたら「想定順序がいちおう存在している」けど若干シーケンスブレイクできるという程度で、スターダスト大作戦は2番目のやつを最初にやってけっこう苦戦したし、チャンピオンロードは5番目相当を4番目に倒して7番目相当を6番目に倒してだいぶ苦戦したりしてました。マップ見て順序予想してそのとおりにやればそんなに難しくはなく、本当に難易度が上がるのはチャンピオンロードラストの四天王からという印象です。なお四天王のタイプについては全く事前情報なしに入ったので相当裏目った選択をしていますが(最後のやつがドラゴンだけはなんとなく予想ができてた)、これは学校の先生と絆を深めてるとなんとなくタイプの予想がつくようになっているらしい。

でザ・ホームウェイのボスラッシュですが、とにかく初めて見るポケモンのタイプを予想しながら戦うのが新鮮な体験でした。ウルガモスもどきのタイプはクリアするまで全く予想がつかなかったし、「えっと名前に月って入ってるから岩タイプだな、よし水タイプで」と思ったらメガボーマンダのまがい物がでてきて「!?!?」ってなって素早さで上取られて瞬殺されてしまった。そしてPokémon LEGENDS アルセウスをやってれば6体フルゲートの時点からウォロ式を疑ってたし、6体目にコライドンじゃないポケモンが出てきた時点で「まさかほんとにウォロ式なのか…???ウォロ式だったらもうあとがないので終わりだが…???」と最後までウォロ同様7体目が出てくるのをケアしながら立ち回る羽目になってしまった。実際はイベント戦闘がそのあとに続くだけだった。というか過去に種族値570以上固定の6体と対戦するボスバトルなんてあったか…?その点だけでも(いくら無振りとはいえ*1)かなり難しいのでは…?

全滅箇所は2箇所、レジェンドルートのラストのペパー戦のレベル不足(ここでチャンピオンロードクリアと同じくらい求めてくるのズルくない!?)とスターダスト大作戦の偽カシオペア戦(ポットデスにからやぶからの全抜きというレート環境か?みたいな負け方をした)でした*2チャンピオンロードはレベル若干不足かつアイテム不足で入りましたがトップチャンピオンとネモをX-Itemsでゴリ押しするルートで突破できたのでgot kotonaki。

概ね「第6世代や第8世代みたいに簡単ではない」「一方でBDSP終盤やLEGENDSアルセウスのpost-creditsみたいにめちゃくちゃな高難度ではない」「ただ後半のボスはミスると全滅は簡単にする」というくらいのバランスです。

ポケモン

なんで570族590族大盤振る舞いしてるの

古代ポケモン・未来ポケモンが複数捕獲可能な570族・590族な関係で高種族値ポケモンの大バーゲンセールになっています。メガボーマンダ(トドロクツキ)やメガエルレイド(テツノブジン)すら無限にスポーンする大盤振る舞いなのには驚きました。今作は準伝説もいるので(こちらは1体のみ)SV環境は570族以上の選択肢がかなり豊富に存在していますし過去の600族もほとんど(ジャラランガメタグロスがスタン落ち?)存在しているので高種族値ポケモンが山ほど存在しています。パラドックスガブリアスとかなくてよかった

デザインは杉森式でもターナー式でもあまり見られなかっただろうデザインがけっこう多い気がしていて、これはこれでアリ、という感想ですが、評価は分かれそうな気がしています。ネーミングで気に入ったのはマスカーニャ(Meowscarada)、イルカマン(Palafin; どっちかっていうと英語のみ)、オトシドリ(Bombirdier; これも英語のみ)、カヌチャンのライン(Tinkatink, Tinkatuff, Tinkaton; これは日本語も好きで、ナカヌチャン見たあとにポピーのラスト出てきたときに「やっぱデカヌチャンじゃねーか!!」って答え合わせされてとてもよかった)、カプサイジのライン(Capsakid, Scovillain; これも日本語含め)、コノヨザル(Annihilape)、コジオのライン(全部Naclが入ってるのがわかってる!!)です。マスカーニャとか新作スマブラあったらスマブラに入りそうなデザインしてる。結局ニャオハは立ってしまった一方ホゲータは最終的に四足歩行になったのだった。

新590族がぶっ壊れて強いのはそうとして、地味に気になってるのはジェネリックボルトロスことタイカイデンです。カイデンってポケモンが出てきたときに笑ってしまったのは秘密だ!

ストーリー

めっちゃよかったので折れずに済んだ。というか過去最高まである。

剣盾があまりファンではなくサンムーンがよかったと思ってるので割とサンムーン路線に振ってきた感じでかなり気に入りました。チャンピオンロードにストーリーはあってなきがごとくなのでいいとして、レジェンドルートはまあわからんでもない、スターダスト大作戦とザ・ホームウェイがとにかくエモ全振りしてる感じでとにかくよかった。まさか「悪役チーム」のシナリオがメインシナリオ3本で一番いいなんて思わないでしょ???ザ・ホームウェイはとにかく「未知」に挑む感じがこれだけ長くポケモンをやっている私でも感じられて最後まで緊張感が抜けなかった。正直スターダスト大作戦まではある程度終わり方に予想がついたけど、まさか博士はすでに死んでてAIであり、そいつがラスボスでした、は想像つかんでしょ…。ゲームバランス面もそうだしストーリー面でも緊張感たっぷりで、ボスBGMがめちゃくちゃよかったのに気にしてる余裕がないくらい張り詰めた状態でプレイしていました。

AIオーリム/フトゥーもそうなんだけど、2022年ならではのキャラメイクに振ってきているよなあ、と思う部分は多数存在している。ジムリーダーからしてナンジャモはstreamerだし*3アオキは社畜だし*4カシオペア/ボタンはハッカーだし、モブトレーナーの音楽家がCDが売れないのはサブスク世代だからかみたいなことを言うし…。キャラメイクといえば博士が今までの博士みたいな「まともな人」ではなく(多分その枠はジニア)完全にマッドサイエンティストに振っていて家庭を投げ捨ててる感じのマッドサイエンティストになっているのも新鮮でよかった。

音楽

これもよかったおかげで折れずに済んだ。

スターダスト大作戦のボスバトルでERaSeR EnGinE DistorteDみたいな(例えがよくない)デスボイス入りロックが流れてびっくりしたし、カシオペア/ボタン戦でガバキックの入ったバトルBGMが流れたのもびっくりしたし、準伝説の東洋風なバトルBGMにもびっくりした。ポケモンに入ると思わなかったジャンルの曲があってそれが全部よかった。カシオペア/ボタン戦とかもはやbeatmania IIDXに入ってそうな音してるでしょ…。

ジャンルが変わってるやつ以外には「一定の拍子でない曲」が多いのもよかったです。フィールドテーマで5/4+6/4があったり、ジムリーダーの最終ポケモン出すところは一度3拍子になってから4拍子になったりしたのがわかりやすいですかね。

UI面のメカニックはめちゃくちゃ酷評しているけれどサウンドプログラミングに関してはホントに言うことのない出来だと思っていて、あらゆるBGMのトランジションがシームレスに作られている点はとても高く評価しています。

一方で英語で3rd Trailerと日本の吹奏楽文化の関連について英語圏ポケ勢に紹介する記事を書いたのはいいんだけど、

s01.ninja

吹奏楽要素は特に追加ではなかった。エンディングあたりが吹奏楽になるのかなと思ってたら直前に公開されたCelestialがそのまま流れた*5なお当然なんだけどアルヴァマー序曲要素は全くなかった

それはそうと、

ポケモン公式さんが録音を撮れと言ってるのでやります。とはいえ今のリードで撮るのは正直キツくて、締め切りまでにリード買いに行けるチャンスが1回しかないんだよなあ…。

あと株ポケさんは剣盾のサントラも早く出して欲しいしSVのサントラは絶対に出してください。これだけいい曲だらけなんだからちゃんと金払って正規の音源聞きたいんですよ…ぶっこ抜き音源に頼らなきゃならん状況にしないでくださいよ…。メインテーマの吹奏楽アレンジの時点でサントラ1000枚買えって言ってたのでほんとに早く出してくださいよろしくお願いします。あと四天王とチャンピオンのBGMバグしっかり踏んでて(ワーニング音だけでも雰囲気出るなあと思ってたけどちゃんと曲あるんじゃん!)非公式音源に頼らなきゃいけなくなってしまった状況は公式が音源を出してくれれば解決しますのでぜひともよろしくお願いします。

育成環境

以下11/21に書いた文章

☆5レイドバトルが人間1人ではほぼ絶望的、一方でオンラインに潜ると中途半端に育ったポケモンでは地雷扱い(育成済み禁伝か育成済みデカヌチャンorニャイキングじゃないと地雷扱いされる)なバランスは正直よくないと思う。あとメタモン☆6が5V固定なのはいいとして☆6レイドがマップに1個しか出ないので引くまでがとにかく絶望的、倒せないとゲーム内日付変わるまで消せない、でレイドバトルがかなりタフなのでしんどく、レイドバトルをするとしないとでは効率が決定的に変わる(し、とくせいアイテムが事実上☆6に埋まっている)ので絶望しているところ。前作の☆5ってASザシアン投げれば8割はソロで勝てたんですよ…。今作はもうすでに☆5の時点でvsミュウツーほどではないにせよvs色ゼラオラくらいの立ち回りを要求されていてとても厳しい。☆6なんかソロじゃ基本無理なバランスかつオンラインでは厳選済みじゃないと地雷扱いだし、☆7とか勝たせる気ある?みたいなバランスだろうから、今後イベントでドロップレートの多少ゆるくなったレイドがばら撒かれることに期待したいところ。

それ以外の点では(ゲーム内の)金を積めば解決するようになったのはいい修正だと思いますし、わざマシンが使い切りになったとはいえ170種類以上用意してくれてその上で素材集めれば作れるようになっているのでまあいい修正だと思います。

11/25くらいに更新した感想

レイドの経験値を積んだところ、☆5までなら案外悪くないバランスで、第8世代のレイドがASザシアン投げれば勝てたのが簡単すぎるだけ、☆5での色ゼラオラみたいな立ち回りは対戦する相手を正しく選べば回避可能、立ち回りがわかればオンラインで☆5は安定して勝てる、相性次第ではソロ☆5はかなり安定的に可能、絶望的なタイプ相性を除けば☆6も勝率上げられる、という感想になりました。レイドの基本的な立ち回り記事は別途書こうと思います。これはできれば英語も書く。

そのうえで絶望的だったのが☆6TTフェアリーのブラッキーです。ミライドン2デカヌチャン2、D6段階下降からのイナズマドライブもロクにダメージ入らなかった上に積み技積んでくるのでもうこれはダメです。夢ニャイキングx4が刺さるやつとは思いますがそんなのは無理。

post-gameについて

厳選難易度がめちゃくちゃ下がっていてオンライン対戦へのハードルがだいぶ下がっているのは非常にいい変更だと思います。現状での金策はかなり時間がかかる*6とはいえ前作までの運ゲーに左右されて不安定なBP稼ぎに比べると確実に安定するので、欲しいPTを育成するのにかかる時間は大幅に短縮されたといってよいでしょう。

一方で以下の点がかなり気になっています:

  • ジムリーダー再戦は1回のみ?
    • STCでのスター団ボスは複数回可能なので気になる。ジムリ再戦を毎回求めてる勢はストーリー1回きりではなく今回のスター団ボスみたいな形式を求めているので半分できてて半分できてないのがつらい
  • 四天王再戦不可!?!?!?
    • 音楽バグがあるのでなお気になる
  • バトルフロンティアどころかバトルタワーすらナシ!?!?
    • BPが要らないとはいってもさあ…何のために厳選簡単になったの!?!?
    • いきなりオンラインのranked入るのではなくタワーから練習していけるというのはいい仕組みだと思ってるのだが…

このへんはDLCでのコンテンツ追加を強く期待するところ。

まとめ

正直ゲームプレイのメカニックだけ足を引っ張っている以外はいいゲームどころかめちゃくちゃいいゲームなんですよ…。第8世代で感じてた「薄味さ」はまったく感じられない「こってりした」キャラメイクにストーリーでこの点はものすごく高く評価しているのに対して、メカニックが強く足を引っ張っていて、この点がなければ問題なく神ゲー認定してたまであります。とにかくコアのメカニックがスムーズでないところが通常プレイしてても引っかかってしまうのがキツい。パフォーマンスは実はハンドヘルドモードだったら問題ないと聞いて実際そういう感想はあるのだけどそうしたらそうしたでちっちゃいポケモン見えなくてぶつかるみたいなのがあるのででかい画面でやりたいんですよね…。ついでに現時点でpost-gameがほとんどないのもキツい。文句なしの神ゲーであるところのアルセウスやってからの落差がキツすぎる。パッチでパフォーマンス問題が、DLCでpost-gameのコンテンツが少ない問題が改善されていくんだろうか?いや、いいゲームではあるんですよ、ただパッケージのゲームとしてはアラがかなり目立ってしまうし、前作がよりにもよってこのへんのアラがとにかく目立ってなかったアルセウスなので、とにかく惜しい、としか言えなくてもったいない。

…そんなわけで真の第5世代リメイク、Pokémon LEGENDS: the Origin Dragonでシキミさんの先祖が出ることに期待してます。眼鏡が存在するくらいのテクノロジーのある時代でお願いします。(オチそれか*7

*1:内部データのspreadsheetによると無振りではあるが5体目まで個体値全25、最後は個体値全Uらしい。行動順に決定的に影響するような素早さ振りや性格補正はBDSPとは違って行われてないらしいのがまだ救い

*2:一方で本物のカシオペアは弱かった。公式ブイズパは意欲的ではあるけど限界があるんですよ…

*3:ゲーム内でスパチャ流れるのはさすがに草

*4:これは初代を子どものときにプレイしてる人向けな感じがすごい

*5:copyright strikeの対象になりうる音楽なのでエンドクレジット突入して続けて配信すると配信者が死ぬらしいですね。ナンジャモちゃんのジムバトル中に流そう

*6:Item duplication glitchを使えばとくせいパッチをdupeすることで一瞬で金策できるというのはありますがそれはおいておくことにする

*7:でもSではHGSS、VではBWの準伝説のパラドックスポケモンがそれぞれのブックにてヒントされていて、あながち第4世代後半/第5世代テーマのDLCはありえるのでは…?