LA-MULANAをクリアした

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This game is hell.

タイトルの通りです。ネタバレは外部の記事に避けてありますがいちおうゲーム本体の内容について多少の言及はあります。

経緯

10do443.hatenablog.com

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週報プランクでも報告したと思うんですが、昨年の終わりごろ地元の音ゲーマーに勧められたので買いました。そうしたら記事に「やめとけ。」って書かれてました。…は????? いちおう私なら耐えられるかもと思って勧めたということですが…「耐えられるかどうか」っていう但し書きが必要なゲームって…

なお私はアクションゲームはド素人で、いわゆるメトロイドヴァニア系ゲームはこれをクリアするまでスーパーメトロイドメトロイドドレッドしかクリアしたことがありません。

どういうゲーム

考古学者になって遺跡を探検し人類の起源の謎を解き明かすゲームです。

古代文明の遺跡なので石碑の文字が読めるとは限りません。石碑の文字を読むためには専用の道具とソフトを入手する必要があります。まず環境を調べるためのアイテムを入手しないと調べることすらさせてくれないし、入手したところで石碑の文字を読むソフトが入っていないと古代文字の石碑が表示されるだけです。

なお遺跡にはトラップがたくさん仕掛けられているし、聖なる物を傷つけると天罰が飛びます。この天罰というのが非常に厄介で、手当たりしだいに壁や床をシバいて回ると天罰が飛ぶので、あてずっぽうでの攻略を封じてきます。ちゃんと遺跡中に書かれているヒントを解読し適切に謎を解いていく必要がある、そういうゲームです。

…なので、めちゃくちゃ死ぬし、抽象的なヒントから答えをひねり出す謎解きができないと数時間進捗が出ずに悩み続ける、そういうゲームです。

なお謎解きが主眼のゲームなので攻略情報を見るとプレイ感の大部分が損なわれてしまう恐ろしいゲームです。私も大部分はプレイ済みの友人(勧めてきた人)に配信を見てもらい話しながらプレイして*1、どうしても折れたマップで攻略を見て、最後のほうはまた普通にプレイしましたが、攻略情報に頼るとその部分はあっさり進む分、味わいもあっさりという感じになってしまいました。

完走した感想

地獄だけど、よくできた地獄なんですよ。

基本的にこのゲームの理不尽さはすべて意図的に作られたもので、操作感が「硬い」こともすべてはMSX時代の2Dゲームの再現と言われれば納得が行きます。ジャンプがメトロイドヴァニアにしては自由度がないというのも「ジャンプの種類が限定されている」「方向転換できるタイミングも限定されている」「落下は無条件で操作の自由を奪われる」「ノックバックも自由を奪われる」という限定されたルールセットでできているから、という理解を得られればまあ納得は得られました。当たり判定がキツいのは完全に意図的で、不公平な当たり判定はほとんどなく代わりに数ピクセルを攻めてほしいという当たり判定だらけという方向で理不尽に作られています。このゲームは昔の2Dゲームの理不尽な難しさを突き詰めたのであって、昔の2Dゲームの(エンジンの制限やプログラミングエラーによる)不公平さを再現しようとしたゲームではありません。このゲームは魔界村とか忍者龍剣伝*2とかの方向の昔のゲームを再現しようとしてるのであってドラゴンズレアの方向の昔のゲームを再現しようとしているのではない、といえばわかってもらえるでしょうか…。

謎解きについては多くのプレイヤーが既に語っている通りです。私のゲーム経験から言うならば、RPGの謎解きではアイテムの取得がキーになっている謎解きしか作りにくいのに対して、2Dアクションゲームなので謎解きの幅がRPG以上に広くなっている、という印象でした。なおLA-MULANAが3Dになったら探索空間が異常に広くなるので考えたくない。特定の画角に合わせないと出てこないヒントが背景に描かれているのを探すみたいになるとちょっと無理ゲーの度合いが高くなりすぎますね…。

「やめとけ」というのもよくわかって、このゲームは相当なゲーマー相手じゃないと勧められません。間違いなくクラシック音楽方面の知り合いの9割9分9厘には勧めません。この記事はなかったことにしてちゃんと人生をやってください*3。ゲームで身を持ち崩しかけてるゲーマーで、さらに挑戦がほしい方はぜひやってみてください。濃厚な味のする地獄を味わえると思います。そりゃあ2のKickstarterで「金をくれ、殺してやる。」が宣伝文句になるゲームだからなあ…

プレイ時間はSteam上で72時間、In-game timeで33時間半でした。ということは死んだ結果半分くらいやり直してるということです。ご覚悟を。なおゲーム中に吐いたFワードの回数は15回でした。

あとHell Templeはやってません。…やらないよ?

このあと

2はやるとしてもしばらく間置いてからやります。3連休がほぼ溶けて、下手すると夢の中にマップが出てくるくらいにはクリアするのに覚悟の要るゲームなので…。

一方でアイテムランダマイザーがあるらしくて、動画見た感じ面白そうだし、初心者向けの設定オプションもあるらしいので、muscle memoryが残ってるうちに遊んでみようかなと思っています。RTA走者がやってるバグのうちcat pause glitch(マップトランジションと同じタイミングでポーズを押すことで一部オブジェクトの当たり判定がなくなって一部の謎を回避できる)とlamp glitch(同様に特定のマップトランジションで一部の当たり判定がなくなる)はやり方がわかってたまに成功するようになりましたがraindropping(壁抜け)はまだ練習中です。

以下はアイテムランダマイザーのプレイ動画です。

www.youtube.com

(こちらはglitchを特に必要としないアイテム配置)

www.youtube.com

(こちらはglitched logic: バグ利用を前提としたアイテム配置)

書いた時点からの追記

RandomizerでクリアしてIn-Game Time 10時間切り実績を得ました。条件は「ハンドスキャナー/聖杯/ブーツ/裏ワープアイテム初期所持」「ボス前quicksave」「バグ利用を前提としないアイテムロジック」、IGT 5h33m、RTA 8h30mくらい(録画の時間から逆算)、死亡回数は12回です。quality of life upgradeがかなり強いのに加えて最強装備が最初のアイテムチェックでポップしたのでシードの引きも異常によかったです。

Randomizerでプレイする場合、「Randomizer jarのメニューの言語設定をゲーム本体の言語設定と合わせる」ことが必要です*4。これをしないと宝箱とかはランダマイズされるけどショップの中身がランダマイズされずに詰みます。これを知らずにあるシードに入って詰まって3時間くらい無駄にしてしまった。

これからプレイされる方へ

  • 公式の説明書は絶対に読んで。(リンク先はPDF) 昔のゲームを意識的に再現しているゲームなので、ゲーム中にチュートリアルを入れる容量なんてありません。よってチュートリアル相当のものは(多少はゲーム内で説明もされるけど)ほとんど説明書に書いてあります。説明書を読まないAngry Video Game Nerdなら即This game is shitって言いそう*5
  • 石碑やキャラクターのセリフのスクリーンショットを撮りましょう。スクショ撮ると文章右衛門の活躍の場がほぼなくなってしまうんですが、文章右衛門にはゲーム中のモブの名前を教えてくれるという機能もあります。スクショ撮るだけでなくその文章のだいたいの場所を覚えておくことも大事です*6
    • あと怪しそうなマップのスクショも撮っておくとたまにいいことがあります。模様がヒントになってるとか、何か進捗が埋まってそうな場所に気づくことができたりします。

ネタバレを含むプレイメモ

ゲーム中に詰まったところを解説したメモを以下に用意しました。攻略サイトを読むとプレイ体験の大部分が損なわれてしまう性質のあるゲームですが、可能な限りプレイ体験を損なわないよう詰まりそうな部分について段階的に解説を試みています。がそれでも多少はプレイ体験が損なわれうるので気をつけてお読みください。

s01.ninja

音楽について

nigoro.bandcamp.com

旧公式サイトのダウンロードページから全収録曲の楽譜がダウンロードできます。ほんと地上の全ゲームこれできるようにして

*1:この人はよくわかってるので基本ノーヒントだしヒントくれてもプレイ感を損なわない程度のヒントしかくれない

*2:ノックバックの理不尽さは忍者龍剣伝っぽさはありますね。とはいえあっちみたいに穴の方向に自動でノックバックされるみたいなことはありませんが…

*3:「ちゃんと人生をやるぞ」と去年のrecapで書いた人がやっていいゲームでは到底ありません

*4:ローカライズのファイルを使ってやってる影響らしい?

*5:AVGNの紹介してるゲームにはほんとにできの悪いゲームは多いのだけど、AVGNは説明書を読まないので迷宮組曲クソゲーって言い放ってる回があるし、ドラキュラII 呪いの封印もかなり初期の回でクソゲーって言い放ってるので一部のクソゲー呼ばわりはあてにならない

*6:文章右衛門は場所も記録してくれるので有用ではある。特にRandomizerでショップ位置までランダマイズした場合はこれがないと特定の重要な店に気づくのが難しい