針の音楽団の演奏会記録、曲解説と攻略記事続きです。本番の録音音源が届いたのでそれ聞きながら書きます。
4. 日知りの抱いた思想と望み 〜 感情の摩天楼
前回「妖精大戦争」が一番古いかもと書いてたのですがこっちのほうが前の曲かもしれない。いわゆる「吹奏楽コンクール音域」に収まる書き方で、がんばればピアニッシモキーのロックを倒しっぱなしでも吹けなくはない、今回の曲にしては音域が非常に「おとなしい」曲でした(序曲も2ndだったから似たような感じか)。で音符もメカニカル面では大して難しいことは書いてなく、転調する前の8小節がちょっと譜読みを要する程度なのですが、問題はそれではなく、ほぼ休符なしで書かれている、ということ。6月くらいに全通し練習をしたときまではこれを全部1人で吹いていたのでアルトサックスとのsoliまで体力が持たないという問題が発生しがちでした。いや、「吹奏楽コンクール音域」でもピアニッシモで音伸ばし続けてたらきついですよ???…というわけで、本番はここをバスクラリネットの裏打ちまで+ユーフォニアムの裏打ちまで+アルトサックスとのsoli、という感じで3人に分ける形で体力の問題を分散することに。まあ3人分の音量要らんでしょここ。
で今回の演奏会の後半に共通することとして、距離の離れた楽器とタイミング合わせるのが難しい問題というのに気づくことになります。今回の配置ではファゴットからアルトサックスまではオケでいうところのチェロのトップの位置、「聖徳王伝説」のフルートとのsoliはヴァイオリン1stの3プルくらいの位置と合わせにいく感じになります。で弦楽器相手ならば弓のモーションがあるわけですが、管楽器だと相当気をつけない限り動きがわかりません。直前に合わせたのが音程の確認だけだったのが少々危険だったかも。
5. 秘封紀行 〜 神話の記憶
オフ会のときもこの部分は不参加で、かつ練習不参加のときにこの曲の合奏が多く、この曲は練習回数が地味に危なかった。とはいえ序曲と並んで最も素直に吹ける曲の一つだったのでなんとかなりました。今回のプログラムの中で一番針の音楽団や東方吹奏楽団以外がやっても自然そうな曲ですが、打楽器セクションの楽器一覧をよく見たら「巫女鈴」「拍子木」「平太鼓」「当り鉦」と書いてあって揃えるのがしんどそうでした。そのへんがどうにかなるのであればコンクールの自由曲とかでぶっこむのアリなのでは…?
原曲にない『アガルタの風』の6/8拍子部分が特に楽しいところなのですが、本番では練習のテンポよりもかなりノリノリで爆走していて、指回りきるのか!?と焦りました。というか音源聴いたらどんどん速くなってってるな…。
6. あたたかな憧れと 夢あふれる地へ 月を背に この永遠と そして あなたと
タイトル長い!英語にしたらどうなるんだろう、と思って試しに書いてみたところ、"With Warm Yearning, To A Wonderful Place; The Moon Behind, This Eternity, and You"みたいな感じですかね???長かった。
去年11月に東方吹奏楽団の演奏会を聞きに行って、「おれにもやらせろよ」という感想を持ったこの曲ですが、なんと3月頃に突然プログラムに追加されていて、やる機会が降ってきました。
小ネタ
鋼にはだいもんじを撃ってあたたかくなり、メガシンカすると月を背にするようになるボーマンダ
— sylph01 (@s01) 2017年8月29日
デデンデドーン!! …ピロリロピロリロ… おっれっはーーーー ボーマンダーー ドラゴンーー やんちゃーでーHーCー振りーーー はっがっねーーーにっだーいもーんーじーーーー をっ撃って げーきーりーんでつっこっむーーーーーー
— sylph01 (@s01) 2017年6月23日
えーりんえーりんボーマンダ、えーりんえーりんボーマンダ、はーがーねーーーにだーーいもーんーじーうーーちーーーそーしーてーーーげーーーきーーりーーんーーーーーー
— sylph01 (@s01) 2017年9月10日
ボーマンダがなんとかって書いてたのはもこう先生の「俺はボーマンダ」に由来しています。
さておき本編
ゆっきーさんの長編曲によくある話として原曲パートが一通り終わったあとの主題分解アレンジパートが最高だったりするわけです(この例に完全にあてはまるの聖徳とこれだけか)。この曲でいうと千年幻想郷と竹取飛翔が混ざる、クロスフェードデモでも使われてた部分ですね。これは最初と最後に2回出てきますが、2回目にいろいろ増えて帰ってきます。ピアノ2台じゃ足りないくらいいろいろ増えてる。ここ、なんと恐ろしいことに、テンポはかなり揺れまくりますがテンポ指示は楽譜上に一切書いてありません。参考音源聞いて落ちてるのかなと思って聞いてみたのが以下です:
(いちおう掲載許可はもらった)
恐ろしい子…!!確かにこうやって伸び縮みしそうだというのはわかるけどここまでいろいろあるなんて…!!
これについて書いたら初回から主題の再現部のシロフォンについて書かないわけにもいかんでしょう。なんと50小節間ひたすら「かごめかごめ」を叩き続けるわけです。ここでのこれのテンポ支配力ときたら…!これだけテンポが揺れる中で刻み続けるのは並大抵のことではないよなあ。
ついでに本番に起こった話でいうと、楽譜でいう319小節目と472小節目、曲でいうと竹取飛翔が始まる前と千年幻想郷の発狂トランペットが終わった後で、舞台上に設置していたカメラの電源が落ちるビープ音が聞こえるのですが、これがちょうどいい感じのタイミングで鳴っていて、「宇宙空間を背景に人工衛星が通信のための信号を発してる」ような感じの音に聞こえます。完全な偶然でこんな音譜面に書かれていません(笑)。
針まとめは次回第3部の記事で最後です。
追記
ゆっきーさんがあたたかの問題の箇所のシロフォンとピアノのパート譜公開してたからせっかくだし貼ります:
かごめかごめオンリーイベント pic.twitter.com/pMlGlfAitY
— 白鷺ゆっきー@例い23ab@紅L07ab (@yuki_02010) 2017年10月9日
一方その頃ピアノは pic.twitter.com/7bZrFPvsIe
— 白鷺ゆっきー@例い23ab@紅L07ab (@yuki_02010) 2017年10月9日
このパート譜、改めて演奏者の視点で見ると、ボレロ初演時の譜面を初めて見たスネアドラム奏者みたいに「馬鹿にしてんのか???」って気持ちになるけど合奏した瞬間にこの音符神ってなるやつや。
— 白鷺ゆっきー@例い23ab@紅L07ab (@yuki_02010) 2017年10月9日