いつものではないです。
2017/9/23: 針の音楽団 演奏会
針の音楽団 ~ 吹奏楽で描く日本と幻想郷の世界
2017年 9月 23日 (土・祝)
先行入場:14時00分
一般入場:14時30分
開演時間:15時00分
会場:川口総合文化センター・リリア メインホール
指揮/編曲:白鷺ゆっきー http://concert.harimusic.net/
ここ1年くらい針がなんとかって言ってたのはこれです。総演奏時間100分超、全部同じアレンジャーによる、東方シリーズの演奏会です。去年の8月の演奏会記録にちょろっと書いてたのですが、オフ会が去年あって、それで団体立てるみたいな話をしていたところ本当に立った、という感じで、募集開始から10分くらいでエントリーしてました。自由記入欄にみんなかなり真面目に書いていたところ、自分は1行で「筋トレします」然としたことだけを書いてました。だってオフ会終わった感想がそれなんだもん(
久しぶりに団体の本番でやりたいことができた本番で、かつ他のパートが目立ちまくりな中数人がアンケートでファゴットについて(曲の部分指定にせよ)言及してくれたという、個人的にはよくできた方の本番だったと思います。そのへんだけ言ってもつまらないので、曲の私視点での解説(またの名を攻略記事)を書こうと思います。第1部から3回に分けて書くので(1)です。
1. 幻想郷への序曲 ~ 古きより紡がれし伝承
今回の演奏会の全曲中一番最後に楽譜が完成した曲。なので今回の編成がわかった上でのオーケストレーションになっている。何度も言ってるのですがこれを端的に示しているのは中盤のAndante(「旧地獄街道を行く」の後に始まる伊吹萃香パート)、なんとファゴット2本とコントラファゴットだけが吹いてる部分が存在します。これができるってんでこの音符書いてるだろ!という感じがたっぷりで非常によい。
合奏上の問題としてこの部分の入りはけっこう苦戦して、それが直前の以下の打楽器:
このスネアドラムのパターンだけ取り出すと、クラシック吹きやってるとラヴェルのボレロにしか聞こえなくなるわけです(笑)。なので最初に合奏に行ったときはここが4拍子なのがよくわからなかった。慣れれば問題はないしちゃんと叩き方が4拍子として叩いてれば大丈夫なのですが…。
2. 妖精大戦争 ~ 光と氷の弾幕合戦
でこちらは今回の曲の中で一番書かれた時期が古い曲のハズ。個人的感想としてはこの時期の曲のファゴットの使い方は「指の回る、柔らかくて小さい音の出せる、ホルン」として書かれているような印象を受けます。
こんな感じですね。どちらかというと音域の問題よりもフラットが多いことが大変。個人の完成度ではこの曲が一番怪しかった。
3. 幻想郷音詩 幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ 由縁は桜のみぞ知る
幻想郷オンポエムのほう。
今回の曲中で速い指が多くて技術的に一番困難な曲。局所的にはノスタルジアのお宇佐様が最大瞬間風速ですが、アシストだったので吹いてない関係でこれが一番難しいってことになります。そのへんは割といつも通りにテンポ半分に落としてさらうだけなので置いておくとして…
変拍子地帯
こういうふうに書き込みして対策しました。307小節目の上の点はトロンボーンとか、311小節目は「ソーソーラーソラ」の「ソラ」の部分、312小節目は低音金管楽器の「レレドレレレド」の位置。目印がはっきりしてるのでファゴットはこの部分はそんなに難しくありません。LowAの位置に音符書いてあるとぎょっとしますね(シャープついてますが)。
最後
この直前にもCisまで上がる部分があるわけですが、なんとDまで出します。しかし当然他の金管楽器と重なってる上、本番では真後ろでドラムセットが本気でドラムしばいてるので聞こえるわけナシ!出すけど!!でさらによく見たらハ音記号で下線が必要な音符が書いてある。
そのほか
メカニカルが難しいことがけっこう書いてありますが、「幽雅に咲かせ、墨染の桜」が始まる前まではラクに吹けておいしい部分が多い曲でもあります。さくらさくら(古歌のほうの)とか、その後のオーボエとの掛け合いのソロとか。今回この曲で気を使ったのは特にこの前半部の弱奏で音程を崩さないことで、それをやろうとするとシビアな息の調整が必要になります。「妖々夢」が始まる前の伸ばしの長さなんかは語りがどれだけ時間使うかにかかってたので、うまいことセリフと小節線を考慮してカンニングブレスした上で息の長さを調整する必要がありました。
第1部まとめ
実際第1部が細かいさらいが必要という意味ではテクニカル面でのクライマックスだった感はあります。しかしこれが鍵盤打楽器になるともっとクライマックス度が増していて、妖精大戦争と幽雅に咲かせの両方にめちゃくちゃな難しさのソロがある、ときてます。ほんと三木里さんよーやったわ…。というか鍵盤にステ振りしてる打楽器奏者はアマチュアだとかなり稀なので幻オケで界隈に召喚しておいてよかった。クラシックのオケのみなさん鍵盤強い人必要だったら声かけてみるとよいのでは。
例によって文字だけじゃなくて楽譜入れながら書きたいので第2部以降はもうちょっと時間かかります。