id:naoya さん講演『技術と問題解決』感想パート

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内容を要約すると主なポイントは2点、

  • 技術は対症療法ではなく原理の理解
  • 技術を身につけるには強力な問題意識が必要

という項目に要約できて、それぞれに刺さるところがあったのだが、個人的には特に後者について気をつける必要がありそうな感じがした。

世の中のスーパーエンジニアに言わせればプログラミングは純粋な技術的好奇心があればできるという筋の講演はたくさんあり、そればかり見るとまるでプログラミングで成功できないのは好奇心が足りないからだというように感じてしまわなくもないが、純粋な技術的好奇心以外に技術の学習をドライブするものがないと持続的に技術の学習をすることは難しいのではないか。プロとして仕事をする以上出力を一定レベル以上に保つ必要があり、それをモチベーション不足という気分の問題で片付けてしまってはいけない。というわけで私みたいな怠惰な人間が出力を安定させるためには切迫感のある課題を持っていればよいのだ。

一方で「切迫感のある課題」といったときにIT業界で一般的に想定されるのは「短納期」「残業続きにより疲弊」とかになるのだが、このへんの「失敗したプロジェクト」に関しては直也さんは(おそらく自身の立場もあってだろうが)マネジメントに問題がある、という立場をとっていた。「【前編】CTO不在で、開発組織改善に着手! 一休のエンジニアが語る苦悩の1年 / 飲み会で探るエンジニアのホンネ #naoya_sushi 編」という記事でも語られているが、「モダンな開発環境を導入すればいい」「モダンな開発言語を使えばいい」というわけではなく、本当に問題なのはチーム運営・プロジェクト運営・会社組織の運営の問題を放置していることだ、としている。これが明文化されたことは非常に大事だと思っていて、エンジニアとして成功した(とみられている)人が「結局はマネジメントが腐ってると開発がんばっても成功しないよ」ということは往々にして開発効率の問題を現場の責任にしがちなマネージャーに対してその怠惰を指摘する非常に説得力のある内容になるからだ。いやむしろ刺さってくれ*1

一方で現場としてのプログラミング言語の選択などについてはここ最近強い意見があるがしかるべきタイミングで記事にすることにする(さあいつになるやら)。


質疑応答パートでは自分も過去に投入された現在進行中の炎上案件からアドバイスを求める悲痛な叫びをあげる場面が見られた。…しかし、「真の関係者」は講演にはいなかったのですが。

*1:所属組織のことについて言及しているわけではありません